今回は相手を呼ぶときに使う「あなた」という表現を韓国語でどのように言うかを紹介したいと思います!
「あなた」という単語は英語で言えば「YOU」ですよね。
しかし、日本語では「あなた」と相手に呼びかける言葉はいくつかの種類があります。
韓国語の場合も日本語と同じように、相手との親しさや距離感、関係性や使う状況によってニュアンスが異なる単語がいくつかあります。
相手にむかって使う言葉なだけに、使い方を間違えると失礼になる場合も…
特に日本よりも上下の関係がはっきりしている韓国では注意しなければならない表現でもありますね。
「ニュアンスがよくわからなくて相手を怒らせてしまった…」なんていうことにならないためにも、これから紹介する表現を一つひとつチェックしていきましょう!
당신:タンシン
「あなた」という言い方を調べるとまず出てくるのがこちらの単語かと思います。同等の相手に対して使われる呼称として幅広く使われます。
ニュアンスとしては友達など親しい間柄で使う表現ではなく、ある程度まだ距離がある相手を示す感じです。
昔、チャン・ドンゴンが「あなたのことが好きだから―!」叫ぶ化粧品のCMが日本でも流れていましたが、広告やキャッチコピーなんかでもよく目にします。
また夫婦のあいだでお互いのことを言うときにも使われるので、韓国ドラマや映画の中でもよく使われていますね。
ただし、「おーい、おまえ」、「ねぇ、あなた」と相手に呼びかけるときには、この당신は使われません。夫婦が互いを呼び合うときは、次に紹介する여보:ヨボが多く使われます。
여보:ヨボ
こちらも先ほどの당신と同じように夫婦のあいだで使われる「あなた」の呼び方です。
先ほどの당신との違いは、相手に向かって呼びかけるときに使われるという点です。
例えば、夫婦が外で待ち合わせをしたときに相手を見つけて呼びかけるような場面では、여보
여기야~:ヨボ ヨギヤ~ 「あなた、ここよ~」といった感じで使われますし、なにか話を始める前に「ねぇ、あなた」、「なぁ、おまえ」と呼びかける際などにも使われます。
「あなたが~」や「あなたは~」といったように、後ろに助詞をつけて使う場合には당신が使われることがほとんどです。
여보と당신はセットで覚えるといいですね。テレビの中でも夫婦が出てくる場面では必ずといっていいほど出てきますし、頻繁に使われる呼び方ですので、ぜひチェックしながら見てみましょう!
너:ノ
너は、くだけた表現のため口になります。
「あなた」よりは「あんた」や「おまえ」、あるいは「きみ」に近いニュアンスですね。
仲の良い同い年の友達同士、親が子供に、または年上の兄弟が年下の兄弟にむかって話すときなど本当に親しい間柄、もしくは目上の人が目下の人に話すときのみ使われます。
使える相手が限定的な表現なので注意する必要があります。
ですが、これが使える間柄であれば普段の会話やメールなどでも本当によく使われる言葉ですし、覚えると便利です。
자기:チャギ
こちらは主に恋人同士のあいだで使われる表現ですね。
新婚ホヤホヤの夫婦が先ほどの여보ではなく、この자기を使うこともあります。
자기自体は「自分」という意味の単語ですが、자기야~:チャギヤ~と恋人にむかって呼びかけるときに使うと「ハニー」、「ダーリン」といったラブラブな表現になります。
こんな風に呼び合える相手がいたら、ぜひ使ってみたいですよね~!
그대:クデ
그대は時代劇の中に出てくることが多いですね。この場合は「そなた」、「そち」といった感じです。
また詩や歌の歌詞の中でもたびたび見られる表現です。
詩や歌詞の中に出てくると、どことなくロマンティックな雰囲気が漂います。
당신よりもやや丁寧なニュアンスが感じられますが、普段の会話の中で그대と言われたら、ちょっとギョッとしてしまいそうです。
日常の会話の中では出番は少ないですが、覚えておいて損はないでしょう。
자네:チャネ
こちらは上司が部下に対して「きみ」という場合によく使われます。
年配の人が年下の人に対して使う言葉で、ドラマや映画の中では社長が社員に、あるいは舅がお婿さんに話すときなんかにもよく出てきます。
どちらかというと男の人の方が使うイメージですね。
그쪽:クッチョク
方向を示す「そっち」、「そちら」という意味もありますが、日本語と同じように相手に話しかけるときにも使われます。
親しい間柄で그쪽은 어때?:クッチョグン オッテ?「そっちはどう?」といった感じで使われることもありますが、
그쪽이 먼저 시비를 걸었잖아!:クッチョギ モンジョ シビルル コロッチャナ!「そっちが先にけんかを売ってきたんでしょ!」といったように相手との距離を感じさせるような場面で使われたりもします。
いかかでしたか?ここまで「あなた」の表す単語を7つ見てきました。
「あなた」と一言にいっても相手との仲の良さだったり、上下関係だったり、状況によって呼び方も様々ですね。
呼び方ひとつで相手との関係がどのようなものか、相手をどんな風に思っているのかニュアンスを読み取れるようになると韓国語がさらに面白く感じられるようになると思いますよ!